在留届の出し方|オンライン提出の手順と留学・駐在・帯同のケース別
公開日 2026-10-09
この記事のポイント
- オンライン在留届は現地到着の90日前から提出できる
- 届出は世帯ごとで、日本国籍でない家族は筆頭者になれない
- 渡航先のビザ・滞在許可は渡航先の国の制度で別に用意する
在留届は、海外に住所や居所を定めて3か月以上滞在する日本人が、滞在先を管轄する日本国大使館・総領事館に出す届出です(旅券法第16条)。日本に住む外国人の「在留資格」「在留カード」とは別の制度で、オンライン在留届(ORRネット)なら現地到着の90日前から提出できます。
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1. 在留届は、どの制度の届出か
在留届は、旅券法第16条にもとづく届出です。提出先は、滞在する住所・居所を管轄する日本国大使館・総領事館で、外務省の制度です。
外務省は、在留届が何に使われるかを次のように説明しています。
「在留届」は、外務省が海外にいる邦人の実態を把握したり、海外で邦人が巻き込まれたことが危惧される緊急事態やその他の事件・事故が発生したとき等、日本大使館・総領事館が在留邦人の安否を確認し支援を行ったり、メールによる迅速な情報提供を行ったりする際に欠かせない資料です。
名前が似ているため、「在留資格」「在留カード」と混ざって調べられることがあります。この3つは、対象になる人も担当する役所も違います。
| 区分 | 対象になる人 | 担当する役所 |
|---|---|---|
| 在留届 | 海外に3か月以上滞在する日本人 | 外務省(日本国大使館・総領事館) |
| 在留資格・在留カード | 日本に中長期間在留する外国人 | 出入国在留管理庁 |
| ビザ・滞在許可 | 渡航先に滞在する外国人としての自分 | 渡航先の国の機関 |
在留カードは、新規の上陸許可、在留資格の変更許可や在留期間の更新許可など在留資格に係る許可の結果として我が国に中長期間在留する者(中長期在留者)に対して交付されます。
つまり、海外へ引っ越す日本人が出すのは在留届です。渡航先に長く滞在するための許可は、渡航先の国の制度で別に用意します(§4)。
2. オンラインで出す手順
提出は、原則としてオンライン在留届(ORRネット)です。日本から転出する場合は、現地に着く前から出せます。
在留届の提出が必要な方/・新たに海外に3か月以上滞在される方
※日本から海外に転出される方は、現地到着の90日前から在留届が提出できます。
在留届の必須情報/・氏名、生年月日、パスポート情報、メールアドレス、在留地の住所・電話番号、職業、滞在期間、在留地の緊急連絡先
※メールアドレスが利用者IDとして設定されます。
※在留地の住所・電話番号については、未定の場合でも在留届を提出できます。
必須の情報をそろえる
氏名・生年月日・パスポート情報・メールアドレス・在留地の住所と電話番号・職業・滞在期間・在留地の緊急連絡先です。住所と電話番号は未定のままでも提出できます。
ORRネットから提出する
登録したメールアドレスが利用者IDになります。住所を入力すると、その地域を管轄する日本国大使館・総領事館が自動的に選ばれます。
世帯でまとめて出す
届出は世帯ごとに行えます。家族で渡航する場合は、筆頭者を決め、同居家族として登録します(§3)。
パスポートの取得前なら、失効した番号で出す
申請中などで有効なパスポートがない場合は、過去に交付されたパスポートの番号でも提出できます。
オンラインが使えないときは、窓口に書面で出す
用紙は日本国大使館・総領事館の領事窓口で受け取れます。ただし書面で出すと、パスポートや証明のオンライン申請は使えません。
失効した番号で出したら、7か月のうちに登録し直す
外務省は、提出日から7か月を経過しても有効なパスポート番号が登録されない場合は在留届が抹消されると案内しています。新しいパスポートを受け取ったら、番号を登録します。
在留地の緊急連絡先は、届出のためだけのものではありません。家族や会社の誰に最初に連絡するかを決めて1枚にまとめるには、緊急連絡カード・連絡フロー作成が使えます。
3. 留学・駐在・帯同のケース別
届出は世帯ごとに行えるため、誰を筆頭者にするかで、そのあとの手続きが変わります。
| ケース | 出し方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 留学(単身) | 本人が筆頭者として提出 | 住所が決まる前でも出せる |
| 駐在(単身) | 本人が筆頭者として提出 | 日本国内の連絡先と所属先も登録する |
| 帯同 | 筆頭者の届出に同居家族として登録 | 日本国籍でない家族は筆頭者になれない |
| 現地で出生 | 変更届で同居家族に追加 | パスポートを取ったら番号を登録 |
| 筆頭者だけ帰国 | 全員の帰国・転出届を出し、改めて提出 | 残る家族から新しい筆頭者を立てる |
筆頭者が帰国又は転出し、同居家族が残留する場合には、家族全員の帰国・転出届を提出し、残留する同居家族の中から新たに筆頭者を立てて、改めて在留届を提出してください。
日本国籍をお持ちでない同居家族は、日本国籍欄で「なし」を選択した上で、パスポート情報欄を入力せず空白で登録してください。なお、日本国籍でない方は筆頭者としては登録できません。
留学で子どもを送り出す家庭が、在留届とあわせて決めておくことは留学・修学旅行の保護者チェックリストにまとめています。社員を赴任させる場合、在留届に登録した連絡先は在外公館からの連絡に使われるもので、会社としての安否確認の段取りは別に要ります(海外出張者の安否確認)。
なお、労働保険の上で出張と派遣のどちらに当たるかは、滞在の期間ではなく働き方の実態で決まります。在留届の3か月とは別の線引きなので、海外出張か海外派遣か 判定チャートで確かめてください。
4. 渡航先のビザ・滞在許可は、別に用意する
在留届を出しても、渡航先に滞在できる許可にはなりません。長期の滞在に必要なビザ・滞在許可は渡航先の国の制度で、種類も必要書類も国ごとに違います。日本にある渡航先国の大使館・領事館の案内で確認してください。
学校の入学許可や会社の辞令が出てから動く手続きが多いため、日程が見えた時点で要否の確認を始めます。渡航の準備全体の順番は海外渡航前の準備チェックリストにあり、入国に必要なパスポートの残りの期間はパスポートの残存期間 国別一覧で国ごとに確認できます。
日本国大使館・総領事館は、渡航先の手続きを代わりに行う窓口ではありません。外務省は、在外公館にできないことを次のように示しています。
在留国の行政機関への届出の代行、届出書類の翻訳
外国査証、滞在許可、就労許可の取得の代行や口添え
5. 出したあとに続く届出
在留届は、出して終わりではありません。登録した内容が変わったときと、その国を離れるときに、続きの届出があります。
| 場面 | 出すもの |
|---|---|
| 住所や連絡先が変わった | 変更届(同じ管轄内の引っ越しでも要る) |
| 別の国へ引っ越す | 先に帰国・転出届、転居先で改めて在留届 |
| 日本に帰国する | 帰国・転出届(帰国後でもORRネットから出せる) |
| 旅行や出張で一時的に離れる | 帰国・転出届は不要。たびレジに登録する |
帰国・転出届の提出がないと、帰国された後も、注意喚起や安否確認のためのSMSやメールがみなさんの電話番号やメールアドレスに送信されることになります。
生活の本拠が、引き続き在留国(地域)にある場合には、帰国・転出届は不要です。ただし、第三国に短期渡航される場合には、「たびレジ」に登録をお願いします。
渡航前に、住んでいた市区町村で済ませる手続きもあります。国外転出届と一緒に手続きをすると、マイナンバーカードを転出先でも使えます。
日本を出国される方のマイナンバーカードについて、出国前の居住市町村にて、国外転出届とともに国外継続利用手続を行うことで、転出先でも同カードの利用が可能となりました。
海外から国政選挙に投票するための在外選挙人名簿の登録申請でも、在留届が使われます。届出を出しておくと、こうした領事窓口の手続きにつながります。
6. まとめ
| 時期 | すること |
|---|---|
| 渡航の日程が決まった | 渡航先のビザ・滞在許可の要否を、渡航先国の大使館・領事館で確認する |
| 現地到着の90日前から | ORRネットで在留届を出す(住所が未定でも出せる) |
| 出国前 | 市区町村で国外転出届とマイナンバーカードの手続きをする |
| 滞在中に変わった | 変更届を出す |
| 国を離れる・帰国する | 帰国・転出届を出す |
在留届は、緊急時に在外公館が所在と連絡先を確かめるための土台になる届出です。渡航先の滞在許可とは別の手続きなので、どちらも日程から逆算して進めてください。
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出典
- 外務省「在留届FAQ」 https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/faq.html (2026-10-08 取得)
- 外務省「オンライン在留届(ORRネット)」 https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html (2026-10-08 取得)
- 外務省「大使館・総領事館にできること、できないこと」 https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/dekiru-koto.pdf (2026-10-08 取得)
- 出入国在留管理庁「在留カードとは?」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/whatzairyu_00001.html (2026-10-08 取得)
制度や手続きは変わることがあります。手続きの際は、各機関の最新の案内を確認してください。
監修:真下 恭徳(リスクコンサルタント/株式会社キール)
株式会社キールにて、法人のリスク管理と損害保険の実務に従事。事故対応と保険金請求の実務経験をもとに、海外で起きるトラブルへの備えを整理しています。
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