たびレジと在留届は何が違うのか|3か月で変わる渡航登録の選び方
公開日 2026-10-13
この記事のポイント
- 3か月未満はたびレジ、住所を定めて3か月以上は在留届
- 住所や居所を定めない3か月以上の渡航はたびレジの案内になる
- 在留届は変更届と帰国・転出届、たびレジは中止した旅行の削除まで続く
海外に渡航するときの外務省への登録は、同じ国や都市に3か月以上滞在するかどうかで分かれます。3か月未満ならたびレジ、住所や居所を定めて3か月以上滞在するなら在留届で、後者は旅券法で提出が義務づけられた届出です。
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1. どちらを登録するかの一覧
外務省は、渡航する人向けに2種類の登録を用意しています。たびレジは任意の登録、在留届は旅券法にもとづく届出で、性格そのものが違います。
| 区分 | 滞在のかたち | 登録するもの |
|---|---|---|
| 短期 | 3か月未満の渡航 | たびレジ |
| 長期 | 住所や居所を定めて3か月以上 | 在留届 |
| 定めず | 住所や居所を定めずに3か月以上 | たびレジ |
| 在留中 | 在留届を出した人が別の国へ短期で出る | たびレジ(在留届はそのまま) |
在留届は、旅券法第16条の規定により、外国に住所等を定めて3か月以上滞在する日本人に、その住所等を管轄する日本大使館・総領事館への提出を義務付けているものです。
また、在留届の提出後、連絡先や住所の変更、家族の異動等、在留届の記載事項に変更があった場合には「変更届」、帰国や第三国への転居の場合には「帰国・転出届」を提出するようにしてください。
なお、3か月未満の滞在の方は、「たびレジ」に登録するようお願いします。
どちらも、登録した連絡先に大使館・総領事館から安全情報と緊急時の連絡が届きます。渡航先ごとの危険情報は国・地域別の治安・渡航情報の各国ページでも確認できます。
2. 3か月の線引きは、期間だけでは決まらない
条文は期間だけを書いていません。「住所又は居所を定めて」という条件が先に付きます。
旅券の名義人で外国に住所又は居所を定めて三月以上滞在するものは、外務省令で定めるところにより、当該地域に係る領事官に届け出なければならない。
そのため、滞在が3か月を超えても、住む場所を定めずに移動を続ける渡航では扱いが変わります。外務省はこの場合もたびレジを案内しています。
ひとつの国や都市に3ヶ月以上滞在する場合は、在留届を届出してください。
在留届を提出することで、「たびレジ」登録者と同じ情報を受け取ることができます。
現在外国にお住まいで、既に在留届を提出された方も、別の国へ旅行や出張する際(同じ国の中でも在留届提出先大使館・総領事館の管轄区域外の地域への旅行や出張の場合を含みます)には、「たびレジ」をご利用ください。
また、外国での住所・居所を定めず3ヶ月以上渡航する場合にも、「たびレジ」をご利用下さい。
赴任先から別の国へ出張するときのように、2つが同時に必要になる場面もあります。在留届はそのままで、その渡航の分をたびレジに登録します。
期間で決まるもの、決まらないもの
期間が線引きになるのは在留届と、海外派遣の前後に行う健康診断です(在留届は3か月以上、健康診断は6か月以上)。いっぽう労災保険で出張と派遣のどちらに当たるかは、期間ではなく働き方の実態で決まります。判断の材料は海外出張か海外派遣か 判定チャートで確かめられます。
3. 届け出る内容と、そのあとに続く手続き
登録の重さが違うのは、届け出る内容と、届け出たあとに続く手続きです。
| 項目 | たびレジ | 在留届 |
|---|---|---|
| 性格 | 任意の登録 | 旅券法第16条による届出 |
| 単位 | 本人ごと(家族や職場のアドレスを追加できる) | 世帯ごとに行える |
| 主な内容 | 渡航国・地域、渡航期間、氏名、メールアドレス、電話番号など | 氏名、生年月日、旅券情報、在留地の住所・電話番号、職業、滞在期間、在留地の緊急連絡先 |
| 変わったとき | ログインして登録内容を変更する | 変更届を出す |
| 終わるとき | 中止になった旅行情報を削除する | 帰国・転出届を出す |
あとの手続きは、在留届のほうは法令に書かれています。
前項の届出を行った者は、住所、居所その他の届出事項に変更を生じたときは遅滞なく、当該届出を行った領事官の管轄区域を去るときは事前に、その旨を当該領事官に届け出なければならない。
前二項の届出は、世帯ごとに行うことができる。
在留届は、書面でも窓口に出せます。ただし出し方で、そのあとに使える手続きが変わります。
原則として、「オンライン在留届(ORRネット)」で提出してください。
インターネット環境がない等、オンラインでの提出ができない方については、住所地を管轄する日本大使館・総領事館にて書面の在留届を入手することができますので、領事窓口に提出してください。なお、書面で在留届を提出した場合には、証明やパスポートのオンライン申請はできませんので、ご注意ください。
オンラインで出す手順と、留学・駐在・帯同のケース別の書き方は、在留届の出し方にまとめています。
4. 受け取れる情報は同じ、使われ方が違う
届く情報そのものは、2つで大きく変わりません。在留届を出すと、たびレジの登録者と同じ情報が受け取れると案内されています(§2 の引用)。違うのは、登録された情報がどこで使われるかです。
在留届が提出されていないと、現地の日本大使館・総領事館では、滞在している方の滞在の事実を知ることができません。
そのため、特に在留邦人が巻き込まれたことが危惧される事件・事故、災害等が発生した場合、日本大使館・総領事館が、在留届に記載された所在地や緊急連絡先の情報に基づき安否確認や日本の留守宅への連絡を行うことができなくなります。
また、在外選挙人名簿登録をする際にも、在留届が必要になります。
在留届は、在外選挙人名簿の登録申請など領事窓口の手続きの前提にもなります。たびレジにはこの役割はありません。
帰国したあとの届出にも、同じ理由があります。
帰国・転出届の提出がないと、帰国された後も、注意喚起や安否確認のためのSMSやメールがみなさんの電話番号やメールアドレスに送信されることになります。緊急事態の際、日本大使館・総領事館は、既に帰国しているあなたの安否確認に時間をとられ、実際に滞在している他のみなさんの安否確認がそれだけ遅れることにもなりかねませんので、帰国又は転居される際には帰国・転出届(転居先が同じ日本大使館・総領事館の管轄区域内にある場合には変更届)の提出をお願いします。
たびレジの側にも、選び方の分かれ目がひとつあります。利用者登録をせずに使う「簡易登録」は、情報を受け取ることはできますが、連絡の扱いが異なります。
「たびレジ」簡易登録は、具体的な旅行予定はないが海外の安全情報は入手したいという方や、出張者や駐在員のために常に情報を収集したいという企業・団体向けに、メールアドレス(複数アドレス登録可能)またはLINEアカウントと、国・地域(複数指定可能)を登録するだけで、現地の大使館・総領事館から、日本語で最新の安全情報がメールやLINEメッセージで届きます(利用者登録をせずに利用する)。
なお、簡易登録された方には、緊急時の電話連絡はできませんので、具体的な旅行予定がある方は、「たびレジ」登録をお願いします。
渡航の日程が決まっているなら、簡易登録ではなく通常の登録を選びます。
5. 出発までにやること
同じ国や都市に3か月以上滞在するかを確かめる
期間だけでなく、住所や居所を定めるかどうかも見ます(§2)。迷うときは、滞在先の住所が決まるかどうかが目印になります。
3か月未満なら、渡航が決まった時点でたびレジに登録する
外務省は、旅行することが決まったら速やかに登録するよう案内しています。登録は出発の直前でもできます。
3か月以上なら、オンライン在留届(ORRネット)で在留届を出す
日本から転居する場合、現地到着の90日前から提出できます。
会社員は、職場のメールアドレスの追加も出発前に済ませる
会社に安全情報と緊急時の連絡が届くようにする設定です。会社側の段取りは海外出張者の安否確認にまとめています。
渡航が中止になったら、登録を取り消す
たびレジは旅行情報を削除し、在留届はORRネットから取り消します。
住所が決まっていなくても出せる
在留届は、在留地の住所・電話番号が未定でも提出できます。住所が決まってから変更届を出す流れになるので、渡航前に出せるものを後ろに回さずに済みます。
日本から海外に渡航する場合、「オンライン在留届(ORRネット)」により、現地到着の90日前から在留届の提出が可能です。渡航が中止になった場合には、「オンライン在留届(ORRネット)」から在留届を取り消してください。書面で提出する場合には、現地に到着して住所等が決まってから日本大使館・総領事館に在留届を提出してください。
緊急時に家族や会社へ連絡する手順は、登録とは別に手元に置いておくものです。窓口と連絡役を1枚にまとめるには緊急連絡カード・連絡フロー作成が使えます。留学で長く滞在する場合に家庭側で決めておくことは留学・修学旅行の保護者チェックリストにあります。
6. まとめ
| 場面 | 登録するもの | そのあと |
|---|---|---|
| 3か月未満の渡航 | たびレジ | 中止になったら旅行情報を削除する |
| 住所を定めて3か月以上 | 在留届(義務) | 変更届、帰国・転出届を出す |
| 住所を定めず3か月以上 | たびレジ | 同上(旅行情報の削除) |
| 在留中に別の国へ短期 | たびレジを追加 | 在留届はそのまま残す |
渡航前の手続き全体の順番は海外渡航前の準備チェックリストに、目的と期間から自分の分を並べたいときは海外出張・赴任 準備チェック診断があります。
関連情報
出典
- 外務省「たびレジ・在留届共通トップページ」 https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html (2026-10-12 取得)
- 外務省「在留届FAQ」 https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/faq.html (2026-10-12 取得)
- 外務省「たびレジ FAQ(よくあるご質問)」 https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/faq.html (2026-10-12 取得)
- 外務省「オンライン在留届(ORRネット)」 https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html (2026-10-12 取得)
制度の内容と届出の方法は改定されることがあります。手続きの際は、外務省および渡航先の日本国大使館・総領事館の最新の案内を確認してください。
監修:真下 恭徳(リスクコンサルタント/株式会社キール)
株式会社キールにて、法人のリスク管理と損害保険の実務に従事。事故対応と保険金請求の実務経験をもとに、海外で起きるトラブルへの備えを整理しています。
株式会社キール(〒242-0006 神奈川県大和市南林間1丁目8番17号 レントールビル3階C号室)/ 引受保険会社:AIG損害保険株式会社