海外で下痢・食あたりになったとき|水分補給と受診の目安
公開日 2026-09-29
この記事のポイント
- 下痢になったら、まず経口補水液などで水分と電解質をとる
- 激しい下痢・血の混じった下痢・高い熱なら、すぐに医師に相談する
- 予防は手洗いと、生水・氷・生野菜を避け、火の通ったものを食べること
海外で下痢や食あたりになったら、まず水分と電解質をとることが一番大切です。激しい下痢や血の混じった下痢、高い熱があるときは、早めに医師に相談します。
立場別に、先に読むところ
使えるツールトラブル対処フロー
1. 下痢・食あたりになったら
厚生労働省検疫所(FORTH)によると、海外旅行に行った人の半数以上が、到着から5日以内に下痢をするといわれています。
水分と電解質をとる
経口補水液(ORS)がいちばんよく、ほとんどの国の売店や薬局で手に入ります(下の引用)。
体を休める
疲労やストレスも下痢の原因の一つです。
腸の動きを止める下痢止めは、使い方に注意する
病原体を体の中にとどめてしまうことがあります(下の引用)。
危ないサインがあれば、すぐに医師に相談する
激しい下痢、回数の多い下痢、血の混じった下痢、高い熱のときです。
最も重要なのが水分補給です。重大な下痢をきたすコレラの場合でも、口から十分な水分や電解質(ナトリウムなど)がとれる限りは対処が可能と言われています。
飲み水として最もよいのは、「経口補水液(ORS)」と呼ばれているものです。難しい名前ですが、ほとんどの国の売店や薬局で、液体として、あるいは水に溶かす薬として手に入れることができます。これが手に入らない場合にも、食塩と砂糖があれば、次のような方法で代用することができます。
水1リットル+食塩ティースプーン1杯+砂糖ティースプーン6杯
このタイプの下痢止めは、バス移動などトイレに行くことが難しい場合に有効ですが、下痢を根本的に治す薬ではなく、病原体を体内に留めてしまう問題も持っています。使用に際しては十分に注意してください。
激しい下痢、頻回の下痢、血液が混じっている下痢の場合、高い熱がみられる場合には、すみやかに医師と相談することをおすすめします。
緊急の番号と、日本国大使館・総領事館の連絡先は国・地域別の治安・渡航情報にあります。
2. 受診したら、その場で受け取っておくもの
帰国後に健康保険の海外療養費を申請するときに使う書類です。表の上の3つは、現地でしか受け取れません。
| 書類 | どこで受け取るか | 帰国後に用意できるか |
|---|---|---|
| 診断書(傷病名・治療内容・日付が分かるもの) | 受診した医療機関 | できない |
| 領収書の原本(明細つき) | 受診した医療機関 | できない |
| 様式A(診療内容明細書)・様式B(領収明細書) | 受診した医療機関 | できない |
| パスポート・査証・航空券のコピー | 手元の書類 | できる |
| 上記の書類の日本語の翻訳文 | 翻訳会社、または自分で翻訳 | できる |
海外の医療費は、国によって日本とは大きく違います。公的な資料の金額は海外の医療費はなぜ高い?に、健康保険から戻る額の考え方は海外療養費の申請方法にあります。
3. 予防:食べ物と水に気をつける
FORTH は「旅行先での病気の多くが、食べ物・水からうつります」として、次の5つを挙げています。
| 気をつけること | どうするか |
|---|---|
| 手洗い | 食事の前、トイレの後、外から帰ったら、石けんでこまめに洗う |
| 生水 | 飲まない。ふたがしっかり閉まったボトル入りの水がいちばん安全 |
| 氷 | 生水から作られている可能性があるので避ける |
| 火の通り | 完全に火の通ったものを、湯気が立っているうちに食べる |
| サラダ・生野菜 | 避ける。果物は自分で皮をむけるものにする |
屋台やホテル・レストランのビュッフェを利用する場合、食べ物の中には保存の悪いものもあります。調理したての温かいものを食べてください。調理済みの料理が生の食べ物に接して置かれていないことを確認しましょう。
水道水をそのまま飲めるかどうかは国によって違います。外務省の記載は、国・地域別の治安・渡航情報の各国ページ「医療」タブの「水・食べ物」で確認できます。
4. 帰国しても下痢が続いたら
ここが大事
帰国後も下痢が長引くときは、医療機関を受診して、渡航先と期間を伝えます。寄生虫などが原因の場合、通常の抗生物質が効かないことがあります。
いずれにしても、海外旅行後に下痢が長引いている場合には、しっかりと診断を受け、それに応じた治療が必要になります。必ず、医療機関を受診するようにしてください。
現地で受診していた場合は、§2 の書類で健康保険の海外療養費を申請できます。申請の期限は、海外で支払った日の翌日から2年です。
5. 出発前にできる備え
- 使い慣れた胃腸薬を日本から持っていく。持病の薬がある人は持病・常用薬がある人の渡航準備も
- 下痢に備えて抗生物質を持っていくかどうかは、かかりつけ医や渡航外来の医師に相談する(FORTH)
- 海外療養費の様式A・Bを印刷しておく
関連情報
出典
- 厚生労働省検疫所 FORTH「病気になったら」 https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/attention04.html (2026-09-29 取得)
- 厚生労働省検疫所 FORTH「病気にならないために」 https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/attention03.html (2026-09-29 取得)
- 厚生労働省検疫所 FORTH「旅行から帰って」 https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/attention05.html (2026-09-29 取得)
この記事は一般的な情報で、診断や治療の代わりになるものではありません。症状があるときは医療機関に相談してください。
監修:真下 恭徳(リスクコンサルタント/株式会社キール)
株式会社キールにて、法人のリスク管理と損害保険の実務に従事。事故対応と保険金請求の実務経験をもとに、海外で起きるトラブルへの備えを整理しています。
株式会社キール(〒242-0006 神奈川県大和市南林間1丁目8番17号 レントールビル3階C号室)/ 引受保険会社:AIG損害保険株式会社