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健康保険の海外療養費とは

公開日 2026-09-15

海外で治療を受けたとき、公的医療保険から費用の一部が支給される仕組みがあります。これを海外療養費といいます。

ただし「かかった費用が戻ってくる」制度ではありません。日本国内で同じ治療を受けた場合を基準に計算されるため、現地で支払った額とは一致しません。ここが最も誤解されやすい点です。

支給の対象になるもの・ならないもの

対象になるのは、次の2つをどちらも満たす場合です。

したがって、日本国内で保険適用外の医療行為(美容整形やインプラントなど)は対象外です。また、はじめから治療を受けるために渡航した場合も対象になりません。

支給される額

日本国内の医療機関で同じ傷病を治療した場合にかかる治療費を基準に計算した額(実際に海外で支払った額のほうが低いときはその額)から、自己負担相当額を差し引いた額が支給されます。

海外で支払った額現地の医療費(水準は国によって大きく違います)日本国内の基準で計算した額支給される部分差額が手元に残る※ 実際に支払った額のほうが低いときは、その額が基準になります
支給額は日本国内の基準で計算されます。現地の医療費の水準が日本より高い国では、差額が手元の負担として残ります。棒の長さは関係を示すためのもので、実際の比率ではありません。

現地の医療費の水準が日本より高い国では、差額が手元の負担として残ります。国ごとの医療費の水準は国・地域別データで確認できます。

申請に必要な書類

協会けんぽの場合、次のものが必要です。

書類用意する人
海外療養費支給申請書本人
様式A(診療内容明細書)現地の医師が記入・署名
様式B(領収明細書)現地の医療機関が記入・署名
様式C(歯科診療内容明細書)歯科の場合。現地の歯科医師が記入・署名
領収書の原本およびその日本語訳現地の医療機関/翻訳は本人でも可
同意書本人
パスポート・査証・航空チケットのコピー本人

様式Aと様式Bは、現地の医師・医療機関に記入してもらう必要があります。帰国後に海外の病院へ依頼して取り直すのは、言語と時差と郵送の問題が重なって難しくなります。渡航前に印刷して持っていくのが確実です。

加入先が健康保険組合や国民健康保険の場合、様式の名称や運用が異なることがあります。ご自身の保険者の案内を確認してください。

翻訳文について

添付する翻訳文には、翻訳者が署名し、住所および電話番号を明記します。本人や家族が訳しても差し支えありませんが、署名と連絡先の記載は必要です。

申請の期限は2年

海外で治療費の支払いをした日の翌日から2年を過ぎると、時効により申請できなくなります。入院が長引いて複数回にわたって支払った場合は、それぞれの支払日から起算します。

業務中のけが・病気の場合

業務上の負傷・疾病は、健康保険ではなく労災保険の枠組みになります。海外出張中か海外派遣中かで扱いが変わるため、労災保険の海外派遣者特別加入を確認してください。

この制度でどこまで対応できるか

海外療養費は、日本国内の基準で計算した額を支給する制度です。現地の医療費が日本より高い場合、その差額や、搬送・通訳・家族の渡航にかかる費用は、この制度の対象ではありません。

そうした費用への備えをどうするかは、渡航の条件によって変わります。個別のご相談はお問い合わせから承っています。


出典

制度の内容は改定されることがあります。手続きの際は、加入している保険者の最新の案内を確認してください。