海外出張の体調管理|時差ぼけ・エコノミークラス症候群・予防接種
公開日 2026-09-29
この記事のポイント
- 予防接種は、できるだけ出発3か月以上前から渡航外来などに相談する
- 時差ぼけは東向きのほうが強い。機内で時計を現地時刻に合わせ、水分を十分にとる
- 機内では水分をとり、ときどき足を動かしてエコノミークラス症候群を防ぐ
海外出張の体調は、出発前の準備と機内の過ごし方で大きく変わります。予防接種は出発の3か月以上前から相談し、時差ぼけとエコノミークラス症候群は、機内での水分と体の動かし方で備えます。
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1. 出張が決まったら(出発前)
予防接種が要るかを、渡航外来などに相談する
厚生労働省検疫所(FORTH)は、できるだけ出発3か月以上前からの相談をすすめています(下の引用)。2〜3回の接種が要るワクチンもあります。
常用薬を十分な量そろえ、手荷物にも入れる
預けた荷物がなくなることもあるためです。持ち込みの手続きは持病・常用薬がある人の渡航準備にあります。
使い慣れた胃腸薬・解熱剤などを日本で用意する
FORTH は、必要な薬は日本国内でそろえておくことをすすめています。
行き先で流行している感染症を確かめる
FORTH の「国・地域別情報」で確認できます。
予防接種の種類によっては、数回(2~3回)接種する必要のあるものもあります。海外に渡航する予定がある場合には、なるべく早く(できるだけ出発3か月以上前から)、トラベルクリニック、渡航外来等の医療機関で、接種するワクチンの種類と接種日程の相談をしてください。
必要な予防接種は、渡航先・期間・渡航の形態・年齢・健康状態・これまでの接種歴によって違います(FORTH)。入国のときに黄熱の予防接種証明書を求める国もあります。
2. 時差ぼけに備える
FORTH によると、時差ぼけはアメリカやハワイなど東へ向かうときのほうが、ヨーロッパなど西へ向かうときより強くなります。
| いつ | やること |
|---|---|
| 出発前 | 日数があれば、1日1時間ずつを目標に、寝る・起きる時刻を現地に寄せていく |
| 機内 | 乗ったらすぐ時計を現地の時刻に合わせ、現地の時間に合わせて食事と睡眠をとる。食べ過ぎ、アルコールやカフェインのとり過ぎを避け、水分を十分にとる |
| 到着後 | 昼間は日光をしっかり浴び、現地の時間に合わせて食事をとる。朝に着いて眠いときは、3時間ほど眠ったら起きる |
飛行機に乗ったらすぐに現地の時刻に時計を合わせ、目的地の時間に合わせて食事・睡眠をとるようにしましょう。(例えば、日本を夜に出発し、ヨーロッパに朝到着する場合、フライトの前半は眠らないよう努力し、後半に眠るようにします。)
3. 機内:エコノミークラス症候群を防ぐ
長い時間同じ姿勢で座っていると、足の血管に血のかたまりができることがあります。これが肺の血管につまると、胸の痛みや息苦しさが出ます(肺塞栓症)。ビジネスクラスやファーストクラスでも起きます(FORTH)。
機内でやること
水分をしっかりとり、ときどき通路を歩いたり、座ったまま足を動かしたりします。アルコールは脱水を起こしやすいので、ほどほどにします。ゆったりした服を着ます。
FORTH は、次のような場合に危険性が高くなるといわれている、としています。
- 4時間以上の飛行、短い期間に何度も飛行機に乗るとき
- 高齢の人、肥満のある人、最近大きな手術を受けた人、妊娠中の人
- ホルモン補充療法中の人、経口避妊薬を飲んでいる人、がんのある人
当てはまる人は、弾性ストッキングを使うかどうかを含めて、かかりつけ医に相談します。
座ったままでできる運動の1例として、床につま先をつけかかとを上げ、左右の親指を3秒間押し合う。次にかかとを床につけてつま先を上げ、同様に左右の親指を3秒間押し合う。これを10回繰り返す運動を、30分に1回行う方法があります。
(中略)
症状がみられたら、速やかに医療機関を受診してください。命にかかわる病気です。
4. 現地で:食べ物・水と、虫よけ
食べ物と水の注意(生水・氷・生野菜を避けるなど)と、下痢になったときの対処は、海外で下痢・食あたりになったときにまとめています。
マラリアやデング熱は、蚊に刺されてうつります。蚊によって活動する時間帯が違います(FORTH)。
| 病気 | 蚊が活動する時間帯 |
|---|---|
| デング熱、チクングニア熱など | 日中 |
| マラリア | 夕方・明け方と、夜暗くなったあと |
- 長袖のシャツと長ズボンで、肌が出る部分を減らす
- ディート(DEET)などの有効成分を含む虫よけ剤を、説明書どおりに使う
- 網戸やエアコンのある宿泊施設を選ぶ
5. 会社としてできること
到着した日に、重要な予定を詰め込まない
特に時差ぼけが強くなりやすい東向き(アメリカなど)の出張では、到着後に体を現地の時間に合わせる時間をとれる日程にします。
予防接種の相談と接種の時間を、出発の3か月前から確保できるようにする
出張の決定が直前になるほど、接種が間に合わなくなります。
6か月以上派遣するときは、派遣前の健康診断を行う
労働安全衛生規則で定められています。詳しくは海外出張と安全配慮義務にあります。
出張者の持病や常用薬を、本人の同意のうえで緊急時の連絡担当が把握しておく
現地で受診したときに、会社から情報を伝えられるようにしておきます。
6. よくある質問
時差ぼけ対策に、睡眠薬を使ってもよいですか
FORTH は、睡眠薬は手段の1つとしつつ、機内では水分が足りなくなってエコノミークラス症候群の誘因になったり、アルコールで作用が強まったりすることがあるとして、かかりつけ医に相談のうえで処方してもらうよう案内しています。
数日の短い出張でも、予防接種は要りますか
FORTH によると、必要な予防接種は渡航先や期間、渡航の形態、年齢、健康状態、これまでの接種歴で変わります。短い出張でも、行き先によっては相談が必要です。麻しん・風しんは、海外へ行かない人も含めてすべての人が対象とされています。
出張から帰って体調が悪いときは
医療機関を受診して、渡航先と期間を伝えます。潜伏期間が長い病気もあります。
関連情報
出典
- 厚生労働省検疫所 FORTH「海外渡航のためのワクチン」 https://www.forth.go.jp/useful/vaccination.html (2026-09-29 取得)
- 厚生労働省検疫所 FORTH「病気にならないために」 https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/attention03.html (2026-09-29 取得)
- 厚生労働省検疫所 FORTH「知っておきたいこと」 https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/attention02.html (2026-09-29 取得)
- 労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)第四十五条の二 https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032 (2026-09-29 取得)
この記事は一般的な情報で、診断や治療の代わりになるものではありません。症状があるときや、予防接種・薬については医療機関に相談してください。
監修:真下 恭徳(リスクコンサルタント/株式会社キール)
株式会社キールにて、法人のリスク管理と損害保険の実務に従事。事故対応と保険金請求の実務経験をもとに、海外で起きるトラブルへの備えを整理しています。
株式会社キール(〒242-0006 神奈川県大和市南林間1丁目8番17号 レントールビル3階C号室)/ 引受保険会社:AIG損害保険株式会社